ネットのインフルエンサーをはじめとして、多くの「言論人」が「誹謗中傷や批判をす
る一般人の実名化を訴えている」という現状がある。
しかし、これはあまり賛同できない考え方である。なぜなら、誹謗中傷と批判の明確な
区別がついてないからだ。ネットに書き込む多くの匿名の人間は多かれ少なかれ「批
判」的なコメントをしているだろう。
そうなると、多くの人間が「誹謗中傷」をしていると考えられるリスクがある。
批判的なコメントと誹謗中傷的なコメントを明確に分けることが出来ない以上、こんな
考えは正直言って、嫌いな奴を曝そうぜ的な感覚でしか用いられないというのは火を見
るよりも明らかであるし、
そもそも、これらのコメントをしている者のほとんどが、「実名」で活動しているとい
うことを忘れてはならない。
匿名でコメントすることによって態度が大きくなりがちになるというのは傾向としては
ありそうだが、陰湿な日本人にとっては、この「匿名」によって自由な意見を発するこ
とが出来るという大きなメリットがあることを忘れてはならない。
正直言って、「正義マン」なんかは、実名になる対象であるということに気づいていな
いのだから正直噴飯ものであるが、まあこれを除いて考えても、だれが誹謗中傷である
か決めるのかということに関しては議論の余地があるだろう。
誹謗中傷に当たるかどうかという議論がなされないまま、誹謗中傷をしたものが悪とさ
れる状況は、まさに「ハラスメント」と同様の状況である。
受け手の都合によって誹謗中傷となりえるかどうかという判断がされる場合、望月記者
もヤジなど誹謗中傷に当たる言動をいくつもしていることは言うまでもないことだし、
形の不明瞭な悪を叩くことは、国民にとっての都合の良いサンドバッグ化しているよう
にしか見えず非常にグロテスクである。